はじめに
栃木の58ロハスマルシェへ初遠征した記事を書きました。結果は赤字、そして得た学びは「MAGMEが本当に輝く場所とは?」という問いだったと、正直に綴った記事です。
今回は、その続きです。先週の問いを考えながら、4月25日と26日の両日、福島県富岡町で開催された「うちの仔市場 in 富岡」へ出店してきました。

結論から書きます。福島も、結果は赤字でした。でも、この遠征は「旅として、心から行って良かったなー!」と言える二日間でした。なぜそんなことが両立するのか。今回はその理由と、栃木で立てた仮説が福島でどう進化したかをお伝えします。
うちの仔市場という、ちょっと特別なイベント
「うちの仔市場 in 富岡」は、福島県富岡町で開催されている東北最大級のわんちゃんイベントです。富岡町役場が全面的に協力していて、町の復興を願う気持ちと一緒に、民間の力で運営されています。
規模も特徴的です。1日13種類の犬種別オフ会、スタンプラリー、さまざまな出店者さん。公式情報によると、昨年は3回の開催で1万人以上の来場者を集めたそうです。
来場者の方々のマナーも素晴らしいイベントです。会場にゴミ箱を設置せず、すべて持ち帰りという仕組みなのですが、それでも会場がきれいに保たれている。そういう意識の高い方々が集まる場でした。

「1万人」と、出店者の体感のあいだ
正直に書きます。両日参加して感じたのは、「思っていたよりお客さんが少ない」という違和感でした。特に土曜日は静かでした。日曜日は土曜のお客様も再来場されていて少し賑やかに見えましたが、それでも「東北最大」「1万人」という数字との距離は、ブースの足元からは見えにくかったです。
これは主催者さんを責めたい話ではありません。両日有効のチケット制なので、土曜と日曜に同じ方が来られれば、延べ人数としてカウントが重なります。これは仕組みの話で、誰のせいでもないんですよね。
ただ出店者として記録しておきたいのは——公式が示す「賑わいの数字」と、自分のブースの前を通る実際の人数は、必ずしも一致しないということ。これはどんなイベントにも言える、出店者として持っておくべき視点だなと感じました。
動線の作り方は、たしかに機能していた
一方で、強く感心した部分もあります。スタンプラリーの仕組みです。1,000円以上のお買い物で1スタンプ、3つ集めるとプレゼントがもらえる仕組み。来場者の方が「次のお店」を意識して回遊するきっかけになっていました。
MAGMEはスタンプラリーの特典に「割引券」を提供しました。すると、その割引券を持って、次のお買い物のために戻ってきてくださる方が確かにいたんです。買い物の動線として、この仕組みはとてもよくできていると感じました。
ですから、来場者数の話とは別に、「お買い物に流れる仕組み」そのものは機能していた。これもまた事実として、残しておきたいと思います。

赤字なのに、なぜ「旅として満足」と言えるのか
福島の遠征も、結果としては赤字でした。栃木と同じです。
でも、栃木のときに感じた「痛手だった」という感情は、不思議とほとんどありません。むしろ「来てよかった」と心から思っています。なぜか。理由は、お金では計れない出会いがいくつもあったからです。
宿泊先に選んだ富岡町の逢人館。被災地ということもあって、まだまだ町に人の気配は少ないのですが、スタッフの方々の心遣いが本当に素晴らしかったんです。

たとえば、私たちが部屋へ戻ろうとすると、先回りしてエレベーターのスイッチを押しておいてくださる。少年野球チームの合宿と日程が重なっていて、スタッフさんが「団体様の明日の朝食は7時頃のようです。それより前か、7時半以降がおすすめですよ」とわざわざ教えてくださった。
翌朝の朝食時間まで気が回っていなかった私たちにとって、その一言は本当にありがたかったです。お料理もお風呂もお部屋もすべて素晴らしくて、感動の宿泊体験でした。
会場でも、出会いに恵まれた
会場でも、人との出会いに恵まれました。両サイドのブースの方々は優しくて、出店中もずっと笑い合いながら過ごせる二日間でした。風が強い時間帯があって、テントの柱が傾きそうになったのですが、お客様が「持っててあげようか?」と笑いながら支えてくれたりして、大変だったはずなのに、思い出すと笑顔になる時間でした。
そしてもう一つ、忘れられないエピソードがあります。あるお客様が、ご友人の愛犬を描いたイラストをお持ちになって、フォトマグネットにされていきました。聞けば、その日のうちにご友人へプレゼントされる予定とのこと。
翌日、MAGMEのインスタグラムに通知が届きました。受け取ったご友人が、感激してアカウントをタグ付けして投稿してくださっていたんです。
マグネットを買ってくださった方の喜びが、贈られた方の喜びにつながり、その喜びがまた、私たちのところに帰ってくる。「ものを売って終わり」ではない循環が、ふわっと立ち上がった瞬間でした。これがあるから、出店をやめられないんだろうなと、しみじみ思います。
栃木の問いに、新しい答えが見えてきた
先週の記事で、私はイベントを「目的モード」と「発見モード」という二つに分けて考える、という話を書きました。栃木のイベントは「ペット×アウトドア体験」という目的モードだったから、お買い物とは噛み合わなかった、と。

じゃあ発見モードのイベントなら、MAGMEに合うのか。その仮説を、福島で試したかったんです。
福島で見えたのは、「発見モードといっても、その中身はまた違う」という、もう一段深い気づきでした。
「うちの仔市場」は確かに発見モードのイベントです。でも、来場者にとっての主な目的は「お買い物」だけではありません。犬種別オフ会で同じ犬種の飼い主さんと出会うこと、愛犬と一緒に一日を楽しむこと——お買い物は、その中の選択肢の一つでした。
これはイベントとして素晴らしいことです。一日中、何重にも楽しめる場所として、来場者にとっての価値がとても高い。ただ、出店者としての視点だけで切り取れば、お買い物が主目的の発見モードのイベントの方が、MAGMEとしての目的と一致するなと、この頃は感じています。
「目的 vs 発見」という栃木で立てた一本の軸に、「発見の中身は何か」というもう一本の軸が加わった。これが、福島で得た最大の収穫です。
次は、5月の群馬へ
5月16日と17日は、群馬県のGメッセ群馬で開催される「プレミアムドッグフェスタ」に出店します。このイベント、主催者さんご自身が「お買い物が目的のイベントです」と明言されているんですよね。
栃木で「場との相性」を学び、福島で「発見モードの中身」という解像度を一段あげた。その学びを携えて、群馬では「お買い物が主目的の発見モード」という、これまでで最も仮説とフィットする場所に立ちます。
うまくいくかどうかは、行ってみないとわかりません。でも、二度の遠征の学びを次に活かせるという感覚自体が、自分にとってはとても新しくて、楽しみな気持ちで一杯です。

最後に
赤字続きの遠征でしたが、不思議と「やめよう」とは思っていません。むしろ、行くたびに見える景色が広がっていく感覚があります。MAGMEが本当に輝く場所を、一歩ずつ、自分の足で確かめている最中です。
5月の群馬でも、もしお会いできる方がいらっしゃれば、ぜひブースに立ち寄ってくださいね。「ブログ読みました」とお声がけいただけたら、本当に嬉しいです。
そして、もしこの記事を読んで「うちの子の写真でマグネットを作ってみたいな」と思ってくださった方がいらっしゃれば、オンラインショップからもご注文いただけます。5cmの小さなマグネットが、毎日の冷蔵庫に、少しだけ温かい時間を連れてきてくれるはずです。
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