「俺のカメラで撮った?そっちのカメラ?」
こんにちは、MAGMEの代表です。38歳、元々は映像の仕事をしていて、今はカメラマンでもあります。
高校の卒業式を思い出すと、必ず蘇る会話があります。
「あれ?一緒に撮ったっけ?俺のカメラで撮った?そっちのカメラ?笑」
写ルンですの時代特有の、このやりとり。今の若い人には想像もつかないかもしれませんね。撮った写真をその場で確認できない。誰のカメラで撮ったかも、現像するまでわからない。
でも、だからこそ現像に出して、取りに行くまでの数日間がたまらなく楽しかった。「どんな写真が撮れてるかな」って。そして現像された写真を誰かに見せる時のあのワクワク感。今思えば、不便さが生み出す特別な体験だったんです。
写真は連続した瞬間の、たった1枚
私がカメラマンになったきっかけは、実は映像からでした。
映像って、結局は連続した写真の集合体なんです。1秒間に24枚とか30枚の静止画が流れている。それを理解した瞬間、静止画としての写真の魅力にどっぷりハマりました。
動画は流れていく。でも写真は、その瞬間をずっと止めておける。
プロが本音で語る、プライベート写真の貴重さ
カメラマンとして正直に言います。
仕事の写真ももちろん大切です。でも、プライベートの写真の方が個人的には大切なんです。
なぜか?プライベートで本格的なカメラを持ち出すのって、実はものすごくパワーが必要なんです。「今度撮ればいいや」「いつでも撮れる」そう思っちゃうから。だからこそ、プライベートで撮った写真は本当に貴重。
皮肉ですよね。プロのカメラマンほど、プライベートの写真を撮らない。
簡単に撮れるようになったからこそ、消えていく思い出
写るんですの時代、1台800円で24枚しか撮れませんでした。今は3,300円もしますが(執筆時点のAmazonの価格)、当時でも決して安くはなかった。だから1枚1枚を大切に撮った。
今はどうでしょう?
スマホで無限に撮れる。削除も簡単。でもそれって、撮ったことさえ忘れて、消えたことにも気づかず、存在さえも忘れ去られている思い出が山ほどあるということ。
データのまま消えてしまった写真、あなたにもありませんか?スマホを機種変更した時、クラウドの容量がいっぱいで古い写真を削除した時、なんとなく整理した時...。
「〇〇ちゃん!」子どもの指が教えてくれたこと
MAGMEを始める前の話です。
私は子どもたちの写真を、写真立てを使って部屋に飾っていました。すると子どもたちは写真を見つけるたびに「〇〇ちゃん!」と、写っている自分を指さして、本当に嬉しそうな顔をしたんです。
その瞬間、気づきました。
子どもにとって、自分が写った写真が飾られているということは、「自分は大切にされている」というメッセージなんだと。
もっと簡単に、たくさん飾れたらどんなにいいだろう。冷蔵庫にも、玄関にも、リビングにも。そう思ったのがMAGMEの原点です。
現像の手間は、100年前から変わっていない
技術の進化を整理してみましょう。
- フィルムカメラ時代:カメラ自体が高額。現像も必要
- 写ルンです登場(1986年):撮影は簡単に。でも現像は必要
- デジカメ時代(2000年代):確認はできる。でも印刷は面倒
- ガラケー時代:いつでも撮れる。でも画質が...
- スマホ時代(現在):プロ級の写真が撮れる。でも...
そう、「でも」の後は全部同じなんです。
現像する、プリントする、その手間は100年前から本質的に何も変わっていない。お店に行く、データを移す、待つ、取りに行く、アルバムに入れる...。
昔のアルバムVS今のスマホ、どっちが思い出を振り返りやすい?
親の世代のアルバムを見たことがありますか?
分厚いアルバムを開くと、時系列で並んだ写真。ページをめくるたびに「これは〇〇の時だね」って会話が生まれる。アルバムという物理的な存在が、家族の時間を作っていました。
一方、今のスマホ。数千枚の写真が入っているけど、家族で一緒に見ることってありますか?スクロールして、はい次、はい次...。なんだか味気ない。
便利になったはずなのに、思い出を共有する時間は減っている。これも現代の皮肉です。
冷蔵庫を開けるたびに、旅行の計画を立てている
今、我が家の冷蔵庫には家族で行った草津温泉旅行の写真マグネットが貼ってあります。集合写真です。
朝、牛乳を取る時に見える寒そうな草津の湯畑。「また行きたいなー」 夕方、冷蔵庫を開けた時に見える家族全員のダウン姿...。「外気温...マイナスだったよな笑」
何気ない日常の中で、次の旅行の計画が自然と頭に浮かぶ。これって、スマホの中では起こらない現象です。
写真を飾ることは、愛情を飾ること
子どもたちは今でも、新しい写真マグネットを冷蔵庫に貼ると「これ、〇〇の時だー!」って大興奮です。
友達が家に来ると「これ、〇〇ちゃん?」って聞かれて、誇らしそうに「うん!」って答える。自分の写真が飾られているって、子どもにとっては「自分は愛されている」という証明なんですね。
実は、これには深い理由があるんです。
子どもが寝る前になかなか寝ないこと、ありませんか?暗くした後に急に喋り出す。「今日は〇〇をした」「〇〇ちゃんがこんなこと言ってた!」
少し前に読んだ記事で知ったのですが、これは記憶の整理をしているらしいです。そんな独り言のような会話が始まると、ついつい「早く寝なさい!」と言ってしまいがちですが、この記事を読んでからは聞いてあげようと思うようになりました。記憶の整理が終わった方が、子どもはぐっすり眠れるそうです。
これと同じ原理が、写真にもあるんです。
飾ってある思い出の写真を見て、自分のことを指さして興奮したり、友達に自慢したりする行為。これも、自分の中の記憶を整理しているんだと思います。
「これは僕」「これはパパ」「この時、楽しかった」
写真を見ながら言葉にすることで、体験が記憶として定着していく。自分が誰で、どんな体験をして、誰に愛されているか。それを確認し、整理している。
飾られた写真は、子どもの心の成長を支える道具なんです。
自分のことをきちんと理解できる子は、どんな大人になってこれからの世の中を生きていくのでしょうね。すごく楽しみです。
だから私は、写真を飾ることは単なる装飾じゃないと思っています。それは子どもの自己肯定感を育て、記憶を整理し、家族の絆を確認する、大切な子育ての一部なんです。
最後の手間をなくすことで、取り戻したいもの
MAGMEのフォトマグネットを「可愛い」と言っていただけるのは嬉しいです。
でも、本当に実現したいのは、思い出が日常の風景の一部になること。
写真の現像やプリントの手間。この「最後の一歩」があるせいで、どれだけの思い出がスマホの中で眠っているでしょうか。いえ、眠っているならまだいい。消えてしまった思い出は、もう二度と戻ってきません。
あなたに質問です
最後に写真を現像したのは、いつですか? スマホの一番古い写真は、何年前のものですか? その写真、この先も残っていると思いますか?
もし、これらの質問にドキッとしたなら...
今こそ、大切な思い出を形にする時かもしれません。
追記:インスタントカメラが教えてくれた、不便の価値
今、写るんですが再ブームだそうです。3,000円もするのに、若い人たちが買っている。
デジタルに慣れた世代が、あえてアナログを選ぶ。撮り直しができない緊張感、現像まで見られないワクワク感。不便さの中にある特別な価値を、彼らは知っているんです。
MAGMEは、便利さと特別さの両方を届けたい。スマホで簡単に注文できる便利さと、手に取れる写真の特別さ。そして何より、日常の中で思い出に触れられる幸せを。
あなたの大切な思い出、今日、形にしてみませんか?
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